カナダでATになろう

このブログはカナダでCertified Athletic Therapist として働く者による留学情報を綴ったものです。

留学3年目はきつかったけど、楽しい(現在進行系)

どうも前田です。

以前言った留学三年間を振り返るみたいなものをやると言ってましたが、それよりも3年目(三年生)がどう今までと違ったのかを説明しようと思います。

今、三年間を振り返っちゃうと卒業時のネタが減ることに気づきました(笑)

三年目からがATプログラム

これは前から言ってますが、四年生のプログラムに通う場合は三年目から本格的なAT科目の履修が始まります。それまでは他の学科との共通科目が多いので、誰がAT志望なのかは全くもってわかりません。解剖学等は Exercise Science でも必修ですからね。なので二年目までは実技の要素がほぼ無くて、ひたすら筆記試験でした。Lab があるとはいえ、所詮は紙とペンで行う物だったので。

 

科目がいよいよAT系オンリーになっていく

3年生からの科目はもうAT科目が殆どになっていきました。自分は日本での経験があるため3年生からが勝負になると予想してましたが、本当に3年生から見えてくる世界が違いました。2年生までは本当に準備してる感満載だったので、めんどいけど基礎は大事だと言い聞かせてやってましたが、3年目は待望のAT系科目、楽しみにしてました。そして、ウィニペグ大学の授業は生徒に対してどこまでの要求をするのかと思ったら、結果は予想を超えるものでした。日本での経験と知識というものが「自分はかなりアバウトに習ったんだな」と思わされるレクチャー&ラボの内容と実技試験の要求の高さに苦労し続ける毎日でした。

ウィニペグ大学にはカナダ中から生徒が集まりますが、その理由の一つには厳しさで有名なプログラムだからだそうで、AT科目での最低合格成績がB (70%)というのも一見楽勝に見えて、つまづく人結構多いです。ざらに1年間足止め食らってる人います。これはカナダ人もバリバリ当てはまります。もうひとつの理由はどんな生徒もとりあえず受け入れてくれる、チャンスをくれるからというものですね。もう、これは2年時の選考性になってなくなりましたけど。

全科目実技試験あり

70%の成績が厳しいなと思わされる理由の一つは実技試験です。全てのAT科目の実技試験は今は廃止されてしまったCATAの資格試験の各実技編と全く同じフォーマットになっています。採点方法もおそらくそうでしょう。

厳しいと評判の科目だと実技試験の生徒の得点平均が60%ぐらいになります。そして、その実技試験の%が各科目の全体の成績の半分以上を占めるんです。要は筆記試験でやらかすと、より挽回するのが難しい実技が大変になるということです。これは実技試験前に大きなプレッシャーになりますし、逆をいうと例え筆記試験でいい点数を重ねても配点は全体の半分以下なので実技試験悪かったら余裕で70%下回ります。

筆記80%、実技65%ぐらいでトータルでなんとかパスって感じの人多いですね。

今までは勉強した分だけ結果が伴ってきていた感じがありましたが、ここにきて全然そうではなくなりました。

勉強法が変わる

3年生になって大きく勉強法が変わりました。今までは毎日が暗記デーでしたが、実技試験の練習などに時間が取られる上に、配点が限定的であるため、筆記対策の時間が大幅に減りました。そのかわり、実技の練習が大幅に増えました。実技の練習というのはほとんどがペア練習です。一人でできる練習はありません。なので、モデルとなる人のスケジュールをベースで行動することもしばしばでした。

ただ、言っておきたいのは3年時の科目の筆記試験は2年生の時とは比べられないくらい難しいです。殆どがシナリオベースで、具体的な答え以外はほぼ減点です。なので、スライド&ノート丸暗記がほぼ通用しなくなってくる時期でもあります。

「君ならこの場合どうする?」のオンパレードです。

成績が下がっていく

正直、これには本当に自分に対してがっかりしています。でも、そういうものだよっていう人がかなり多いのでそういうものだとしてもやっぱり3年目の成績は情けないです。今年の1月には「B 以下の成績を取ったにもかかわらず、 Red Cross の資格が取れたので心の底から喜ぶ」という経験をしました。B以下の成績がわかった時の冷や汗の感じは今でも少し覚えてます。

補足ですが、本気で準備してこの成績だったんです。だから、これでもし再テスト&再受講だったら立ち直れないかもしれません。

もうこの時期の授業だとクラスメイトで Minimum grade 達せずに再履修する人バンバンいます。そういうものだとわかっている以上、英語力の不利を勉強の量や質で挽回するしかないです。

Practicum が始まった。

おそらく最大の違いはこれですね。クリニックとフィールド両方の実習が始まりました。有資格者の下で実際の業務の補助や代行をしたりして、その上で毎回フィードバックもらえるという環境は初めてでした。日本では部活に所属し、トレーナーの先輩達から基礎を教えてもらいましたが、何かしらの有資格者の監修の元ではなく学生のみでの運営でしたので、正直フィードバックのない環境でした。必要な業務内容は教えてもらっても、なぜそのAssessment & Treatment に至るのかのヒントはもらえませんでした。

実際に自分が4年生になったところでそういうことは出来ませんでした。自分のやり方に自信があった訳ではないので人に教えるのは無理。

また、ここが難しいのですが、日本の部活の場合は学生ATはATプログラムからの派遣ではなく、その部に所属する部員という形なので監督の権力の下にあります。なので学生ATが自分の仕事を果たせるかは監督次第です。監督の中には「学生トレーナーなど所詮学生。学生如きが監督である自分に意見などけしからん。聞く価値なし。」という輩がいます。そんな人多いですね、日本の大学バスケは。しょうもな。

一方北米のAT学生はATプログラム所属での派遣という形です。なので、何か問題があれば実習コーディネーターが間に入ってくれます。やっぱり実習先では毎年色々あるみたいです。生徒がやらかしたり、受け入れ先がやらかしたり。

実習先の希望はあってないようなものですウィニペグ大学は大学の規模が小さい故に Athletics もめちゃくちゃ小さいので、クリニック&フィールド両方の実習先を外部に頼らざるを得ないのが現実です。これが同じ州のマニトバ大学ならば、巨大な Athletics があり、種目もめちゃくちゃ多いので、フィールド&クリニック実習もマニトバ大学内で完結することがほとんどです。

ウィニペグで外部の実習先というのは正直しょぼいです。これははっきりと言えますが、大都市に行ったほうが実習先が魅力的だと言えます。特にフィールド。その実習先が就職につながる可能性を考えれば、やっぱりウィニペグという都市はちょっとよろしくないですね。

留学を考える上でそういう面も考えてはいかがでしょうか?

アルバイトも楽しめた

日本語のティーチングアシスタントだけだった2年目と違って3年目はELPでの仕事も始まりました。月1,2の頻度ぐらいでしたがそれでも働くということは非常に大きい社会経験となりました。やっぱり働くというのは英語を伸ばすのにうってつけです。

そして、実際に同僚達との会話から「人生ってこんなにフレキシブルにできるものなのか!」と衝撃を受けることもしばしば。結構思うのは、アジア系の人は真面目な人生設計を持ってて、それ以外の人たちはかなりエンジョイ系な感じの人生設計してますね。そのエンジョイ系の人生設計は聞いてて「そんな生き方があるのか〜さすがカナダ」と思わされます。だから今はパートタイムでオッケー!みたいな。

今、ちょっと追加でパートタイムの仕事探してます。出来ればキネシオロジーに関係のある仕事を日々 Indeed で探してます。トレーニング指導とかが一番の希望ですが、経験者ONLYっていうのが多いんですね。その経験を積みたいから探してるのにね笑。

プライベート

中古車の購入

f:id:jincatca:20190527024842j:plain

車への興味が出てきた25歳...

3月末についに留学3年目にして、極寒の地を耐え忍んで、中古車を購入しました!これがまあ本当に快適。クオリティーオブライフとやらが爆上げです。2006年のハイブリッドSUVなんですが、安心の日本車クオリティー&前オーナーのお手入れがよろしいので普通に現役です。

一度ウィニペグで車をゲットするともうバス使うのが嫌になりますね。ウィニペグのバス治安良くないんですよね〜。路線によっては恐ろしい雰囲気で本能的に常時身を守りたくなります(笑)。まあ実際にこっちに来たらわかりますよ。

 実用的な話ですと、冬学期末からほぼ毎日高校のラグビーチームに帯同してるので、ほぼ毎日運転してます。しかも、遠征で自分のみの帯同とかになると荷物も大量にあるのでSUVがあるというのはもう実用性MAXです。これでもし、ラグビーシーズンに車が無かったらと思ったら。。。このチームでの実習不可能でしたね。

今はまだ車の恩恵を実習関係でしか感じてませんが、いずれはプライベート面でうまく活用したいですね〜。ちょっとボ〜っと自然の中に身を置く機会とか欲しいですね。

時間の余裕

今までただボ〜っと使ってた時間を実技試験の練習+フィールド&クリニック実習に費やすことになったので 、前より忙しくなりましたが、その分充実感はあります。色んな人にサポートを受けて留学している身の上なので、ぼーっとしてる時間は罪悪感や自己嫌悪の種でしかなかったので本当に助かりました!自分は予定がなければ週末は身体動かす時以外は外出せず家に引きこもって課題するか、寝てる人間なので。

今はこの空いている時間で将来に向けたことを考える必要性も徐々に感じてきました。

友達

これが3年目で大きく変わったことで、クラスメイトの顔ぶれがほぼ固定化してきたことで、仲の良いグループみたいなものが出来ました。そのグループで実技試験の練習したり、学期末の打ち上げでディナーしたりと。そのグループ以外にも結構な小話ができる友達ができました。現時点では未だCohort system ではないうちのような大学でこういう繋がりを作るのは大変で、なぜ自分がその繋がりを持てたのかは本当に不明ですが嬉しいです。気づいたらそのグループのメンバーに入ってたんですよ。

ぶっちゃけ話

正直、そのグループでのチャットは時々読んでて意味がわからないことあります。これが生の英語だというものですかね。テキストより困るのは会話。マジ速い。しかも友達同士の会話ではテレビとかみたいにはっきりはきはきとしゃべる訳ではないので、時々何言ってんのかわけわかめ状態です。完璧についていける時は良いのですが、そうでない時は相槌&リアクションにいつも困ります。みんな優しいので受け入れてくれてはいると思いますが、やっぱりちょっとした会話のぎこちなさは申し訳ないですし、グループでのリズムが変になりますよね〜。

本当は普段思ってるくだらないこととか言いたいのですが、それを英語で的確に表現する力が無いんです。これは本当に常々思ってます。だから、友達からはただの要件のある時だけ話す真面目な奴に思われてると自分は感じてます。ジョークとかも言えるようになりたい。AT系の専門の話に関してはもうある程度バーーーと喋れます。慣れました。でも、Small Talk を楽しむレベルには達してないのです。それはただの「相手に理解してもらう英語」ではなくその上の会話を楽しむ英語というものになると思います。そこに達してないことへの、自分への怒りのようなものはあります。やっぱり英語って難しい。

悩み

Assessment

CATはクリニックとフィールド両方での実習がありますが、主なATの職場を見る限りですとクリニックがほとんどです。もちろんフィールドでも必要な Assessment ですがクリニックはほぼこれに尽きると思います。そんな中、

自分の Assessment Skill のなさに日々苦しむ日々です

論理的に、あらゆる判断材料を使って最も考えられる怪我を挙げるこの作業で、中々スムーズに HOPS / SOAP なりを完璧に実施し、患者の状態を把握することが出来ていません。Supervisor からのツッコミを受けて、黙ってしまうこともしばしば。基本的に Superviosr は優しいです。でも、それは「どうせわかんないだろうから」と思ってるからなんですよね〜。力不足を日々実感。

Field Practicum

単純に己の相変わらずのコミュ障への自己嫌悪とSupervisor +同じ実習先で働く友達が優しくて気を使ってくれることが申し訳なくてしょうがないです。やっぱり同じP2の生徒でも友達の方がSupervisor から信頼されているのは丸わかりですし、与えられている裁量権もより広い気がします。普段他人と比べないようにはしてますが、やっぱり嫌でも見えてくるので。。。やっぱりコミュニケーションは大切です。感覚的には自分は Supervisor の指示を10受けたら8は完遂するけど、細かいところは聞き逃して、結果また本人に聞き直すかその友達が助けてくれる感じです。だから、100%この扱いの差は理解はできる、けど悔しい。だって言葉の壁があるなら仕事(パフォーマンス)で示せばいいのに、それを出来ていないから今の現状があるのですから。

本当に自分の高校のATさんはめちゃくちゃ優しいナイスガイです。過去に彼の下で働いた実習生みんな彼が大好きですし、自分もそうです。だから、そんな彼に気を使わせているところが圧倒的申し訳ないの嵐。

もうすぐラグビーシーズンが終わり、高校自体が夏休みに入るので、8月末のフットボールキャンプまではこの高校では実習できませんので、それまでに今述べた申し訳なさを打ち消せるような仕事を示していけたらと思います。一応9月からのアメフトもぜひ一緒にやろうと言ってくれたので、嫌われてはいないようです(笑)。

進路

これが一番の闇。まずはどこかプロチームでインターンできたらなあと思ったら全滅。なんていうか本当に現実は暗い。そして以前投稿したCATAのメンバーシップ登録問題もあって卒業後の時間的猶予はそんなにない中でどうやってフルタイムの仕事を見つけて永住権への申請まで持っていけるか。それがプロチームや大学レベルなら最高。だがしかし、ここで現実が、、、

ウィニペグまじでATが飽和状態問題

これが結構深刻らしいです。小都市なのにATプログラムが2つも同じ州内にあるので、就職の受け皿が無いらしいです。フルタイムや歩合契約でも中々クリニックの募集はないようです。

実際CATAから毎週送られてくるジョブオファーのほとんどが ON, AB, BC の州からなんですね。マニトバのMBなんか一度も見たこと無い。つまりは他の州に行けば仕事があるといえるんです。でもそしたら、MPNP を柱とした永住権獲得プランはご破産になります。そしたらもう、できることは Federal Government 経由での永住権申請ですがこれがより難しい条件ですのでそう簡単に他州への就職を決めることが出来ません。いずれ、誰かに相談しないといけない内容です。移民エージェントとか。

こうしてATプログラムを進むに連れて見えてきたものが増えてきて戸惑っているのが現状です。本当にキャリアプランの30%ぐらいしかうまくいってないので、人生設計って意味あるのか疑問に思えてきました。

以上が3年目を過ごして思ったことです。

厳密にはまだ春学期があるので3年目を終えてはいませんが、一応区切りとして!

ではでは。

P.S. 先日このブログを読んでくださっていて、WFATTに参加された方からメールを頂きました。なんていうかこのブログをやってて良かったなぁ〜。