どうも前田です。
前回の投稿ではTFCのトレーニング場の設備をざっと展示しましたが (大事な所欠けてるけど)、今回は宮内さんとの対話の内容です。
その前に...
実は自分が訪問した時に、とある男性が TFCのパフォーマンスディレクターを尋ねて来てきたのですが、ちょうどその方が会議で立て込んでていて、一時間近く待ちぼうけしてたので、宮内さんがついでにと案内を頼まれました。
なので自分向けの案内の後その方ともう1周ツアーをしました(笑)
で、そのとある男性。やけに英語のクセが凄いなと思っていたら、イングランドプレミア二部のチームのスポーツメディスンのディレクターらしく、宮内さんへの質問のクオリティーがめちゃくちゃ高くて驚きました。宮内さんも質問に対し余すこと無く詳しく説明していました。
話題の一部
GPSトラッキングによるデータの取り方と解釈と適用
遠征時のトレーニング量とスケジュール構成
一週間単位でのスケジュール(ピーキングに近い)
グランド状態への対応
遠征での注意点
シーズン前のメディカルチェックについて
メディカルデータのリーグ全体での共有
色々と凄い話聞けてとラッキーだなと思いました。当たり前ですが、全部英語です。やっぱりリスニング力ちょっと上がってんのかなと思ったりしました。思い上がり注意(笑)
本対談内容
1.宮内さんのToronto FCに至る経歴
これは非常に自分にとって気になることでした。当時のマウントロイヤル大学のATプログラムは一年制でして、1年しかない Post Graduate Work Permit からどうやってプロチームを渡り歩くことができたのか?そして永住権取得に至る経緯も興味ありました。
経歴を羅列します。
- Mount Royal University AT program
- CFL (Canadian Football League) Edmonton Eskimos
- FC Edmonton
- Toronto FC
=> そのまま採用 (Work Permit 延長の面倒も見てくれた)
=> FC Edmonton 在籍中にそれまでの職歴を利用し Federal Government 経由での Skilled Worker 枠での永住権申請 *申請中の"繋ぎ"のビザは出る
=> 永住権獲得
=> Toronto FC 採用 (永住権を持っていることが吉と出る) 。
今まで自分がこのブログで紹介してきたのは、全部 Provincial Nominee Program という州独自の永住権プログラムでして、実はカナダ連邦政府による永住権プログラムもあるんです。自分はその存在を知ってはいましたが、州のほうが緩いだろうと思ってあまり深く考えてませんでした。
宮内さんのケースは、プロスポーツチームということで実質労働期間が8ヶ月でして、それを3年すると合計2年の職歴が出来ます。そこで Federal Government Skilled Workerの要件を満たして申請したそうです。
これがざっとした経歴ですが、ビザの面で一番大きいのは最初のエスキモーズだったと宮内さんもおっしゃてました。自分はてっきりスポーツチームはビザ申請を助けてくれないと思ってましたが、ちゃんと仕事をしてチームに必要とされればチームも支えてくれるのだなということがわかり大きな発見でした。
まずは、その一歩として地元のプロスポーツチームにインターンをしなくては。
2.永住権について
宮内さんとお話している時に指摘していただいたのは、自分の考えているキャリアプランニングが「永住権とることがメイン」になってしまっていて、本当に自分が何をしたいのかが欠けているということでして、言われて図星でした。
永住権のことをちゃんと調べてカナダに来て、その上4年制を選ぶ時点でもう永住権本位なのは否めませんが、卒業後の進路までとりあえず「フルタイムのジョブ探し!」とするのは安易でした。
永住権については「可能性を広げることはできるけど、100%コントロールできることではない」ので今の自分の大学選びでもそこそこ可能性は広がっているとは思います。3年の Post-Graduate Permit はあるので。
3.プロスポーツチームで働く
永住権とも関係あるのですが、プロスポーツチームで働くことを希望するのならば、やはりプロチームでのインターンから始めるしかありません。クリニック勤務のベテランATがプロにスカウトされるかというとそれは厳しいと。チームに帯同するATに求められるものは、「チームで働く上での振る舞い」の要素が大きいそうです。人間的な部分ですね。もちろん知識や経験も必要ですが、若い学校出たばかりのATに対してチームはより「チームの一部として働ける」ことを重視し、それをインターン中に表現出来たらチャンスは広がるとのことでした。
つまり、トップのプロチームで働くためには、ずっとインターンからプロチームに渡ってトップに行くしかないそうです。そしてチームもプロで働いた経験を重視すると。
これは2で言ったように永住権本位では実行できないキャリアプランニングです。自分はてっきり「フルタイムでクリニック=>現場」へとシフトしていけばなんとかなるかもと思っていましたが、甘かった。
やはりプロで働くにはリスクは付き物ですね。
ってかインターンへの道も始動しないといけないですね。
4. ATの役割
カナダにおけるATの役割について質問をしました。特にPTとの違いについて。
宮内さんの答えとしては「全く違うもの」ということでした。患者or 選手を見ている観点が違うということがありました。
プロチームの中には Sport PTなる人が在籍していたりしますが、TFCはATとストレングス&コンディショニングコーチの組み合わせだけだそうです。後は非常勤の外部のそれぞれの種類のセラピストが来たりするそうです。
このATの役割とはという質問人によって違うので面白いなと思います。自分はラグビーでのことを考えますが、現場にPT多いですね〜。カナダ代表もヘッドはPTだったような。
また、PTとの違いだけでなく、S&C との線引きは?というのもあります。もはや無いようなものだというのが、今の現状だと思いますが、ただATの方がガッチガチのストレングス系を兼任できるかというと疑問です。多分自分がラグビー見てた影響だと思いますが。
5. 情報&理論の供給過多状態について
「トレーニング理論に流行りなんてあっていいの?」これは自分が順大3年生あたりで思い始めたことです。
AT勉強していれば耳にする FMS なり、DNS,PRI といった理論は広く使われているようですがその中で気になるのは「FMSは古い」みたいな話をする人がいて、じゃあもう使わないの?と疑問満載でした。
これに対しては宮内さんの見解は「学ぶ分には害は無いし良いのでは?ただ、それが現場にアウトプットできるかどうかは別」アウトプット=インプットの消化作業&現場の現状とのすりあわせ。
宮内さんの場合は自分の経験に基づくパターンとその理論がマッチしていて今学んでいるものがあるそうです。
新しい理論を学ぶ事自体は悪でなく「自分のコンセプトを広げる作業」として有効活用すべきだという。
一見当たり前のようなことですが、難しいですよね。一時期自分が陥ったセミナー通い病にはなりたくないですし。
みなさんはどう考えますか?もしよければコメントに。
やれば見える景色変わるのかな?
まとめ
今回宮内さんを訪ねての結論は当たり前のことですが、
自分でコントロールできることにだけに集中して、自分の可能性を広げるしかない。
永住権もプロチームもそれに付随するコントロール不可能な結果でしかない。
もう新学期始まっていますが、動きます。
ではでは。