カナダでATになろう

このブログはカナダでCertified Athletic Therapist として働く者による留学情報を綴ったものです。

もう一度CATとATCの違いについて話そう

どうも前田です。

このブログのアクセス数をみるとやはりアメリカとカナダのATの違いに興味を持つ方が多いようです。

去年に書いた投稿では、自分がまだ Practicum を始めておらず、2年生という早い段階で書いたものだったので、今最終学年を迎える予定の今の方がより詳しく説明できると思い、今回一度やったテーマをまた取り上げようと思います。

 

CAT(C) の最大の特徴は?

それはずばり、クリニック開業権!もうこれに尽きます。この開業権というものの意味は大きいです。独立して自分のクリニックを持てるんです。

なのでカナダのCATとアメリカのATCの違いは、「カナダのCATはクリニック色が強い!」です。最近、自分はこれを強く思うのですが、

CATは「トレーナー」ではなく、「セラピスト」なんで!

そこははっきりとしてますね。

実はフィールド系で働く場合は、、、

プロスポーツチーム、カレッジスポーツ、高校などで働く場合においては、アメリカのBOC-ATCとカナダのCATA-CAT(C) に大きな違いはありません。

ただ、アメリカにはフィールド系の職場の需要は多くありますが、カナダのフィールド系の需要はアメリカと比べるとかなり小さいです。ほとんどのCATはクリニックでフルタイムで働くことになります。クリニックにもスポーツクリニックから一般の方向けのクリニック等種類があるので、そこではスポーツクリニックが多いかもしれません。

開業権の意味

CATは Health Provider としての国家資格で、つまりは「Athletic Thrapyが医療、健康保険の対象内である」ということです。今言っているのは現実を無視した理論上の話です。なので、現実はいろいろと甘くはないのですが、クリニックを開業するかどうかはともかく、歩合制が成立しやすい医療職です。自分が患者を多く見れば見るほど契約内容によってはグングン収入UPになるということです。

現実の話

現実の話をすると、カナダには州ごとに国民皆健康保険のようなものがあるのですが、その中には Physiotherapy はあれど、Athletic Therapy はあまり含まれていません(マニトバの場合)。各家庭で入るプライベートの医療保険でもカバーしていないことも多々あるようです。その場合は、患者さんは全額自腹を切ることになりますので、それなりの価値を提供しないと厳しいかもしれません。

また、現実はどうしてもアメリカのように フィジオのクリニックが多いです。ATクリニックというのは増えつつあることは実感していますが、まだまだこれからってところです。中には、ATがオーナーのクリニックにPTが働いているというものもあって面白いです。通常は逆ですが。

ただ、どうしてもカナダの場合はATがクリニックを持てるので、カナダでのPTとの差別化は困難ですね。自分もクリニックという面での筋骨格系に対するアプローチに違いはないと思います。PTもスポーツPTとかいうのがあるみたいですので、もはやバチバチの戦いですね(笑)。

もちろんPTには筋骨格系以外にも、心肺系や神経系という強みがあるのでそこははっきりと上だと思います。

全過程を行う

そしてもう一つの側面は、評価と治療 (Assessment / Treatment) を独立して行うことができるということです。

アメリカでよく見るフィジオクリニックで働くATの方々の多くは、Physiotherapist の監督の下、Treatment の一部の Exercise 指導をメインにやっていたり、もしくは History Taking をメインにやっていたりとありますが、カナダのCATでは始めから終わりまで行うことができます。

これはATにとっては大きいのでは?

フィールドでも面白い例が。。。

自分はカリキュラムのフィールド実習の全てを一つの私立高校で行うことが決まっているんですが (結果的に)、その高校で見た実際の事例として、時系列的に挙げます。うちの実習先のフルタイムの Head CAT(C) のケースです。

  1. 選手が怪我をして高校のATとしてのケアを行う
  2. さらなる集中的なケアが必要になると助言
  3. 選手と保護者に家族行きつけのフィジオに通うか、もしくは高校の昼休みを利用して自分の Athletic Therapy を利用するのもありと説明。
  4. 選手が Athletic Therapy を選択。そして Full Assessment & Treatment を受ける
  5. 支払いは、高校の名前とATの名前で小切手を受領
  6. その後、ATがInvoice を発行 *CAT(C) # の記載

見てて違和感を覚えるかもしれませんが、高校のフルタイムのATでもClinical な Athletic Therapy は別として請求できるようです。

当然、フィールドの仕事としてのアスリートへのケアは選手に請求しませんし、そのケアも練習の前後で普通に20分かかったりします。

自分はこれを見て面白いなと思いました。

「開業権があるっていうのはこういうこと」という事例になると思います。場所を問わずCATAの州支部が定める料金の範囲内であれば、請求できるということです。

生徒の希望

自分はてっきりみんなフィールド系の仕事を希望しているのかなと思ったんですが、自分の半数以上の友人がクリニック志望なんです。

理由は、

  • 自分のスキル向上がダイレクトに収入に直結するから
  • 雇用の安定性
  • 働く時間が一定 (家族の時間が取れる)
  • フィールドは労働時間が長すぎる+多くの負担を強いられる
  • まず、現実問題としてフィールド系のフルタイムの仕事があまりない。(特にウィニペグ)

などがあるようです。

やっぱり自分はワーカーホリックの国の人間なんだなと感じました...。

自分としては正直収入のこと以外は気にしたこともない要素が挙げられて目からウロコでした。定時勤務ねぇ、、、。5時に仕事終わってもすることねえや。

やっぱり自分は人生を楽しむのが下手なのかもしれないですね(笑)。

ただ、若いうちはクリニック勤務後にフィールド系のパートタイムをやるのも一つの形としてATに定着してるみたいです。

将来的にフィールド系をやりたい人とかはそうなるのかもしれないですね。

自分のクリニックを持ちたいという人も結構自分の周りにはいますね!

 

以上が最終学年を前にして追加した、CATという職業の特異性です。

参考になれば。

ではでは。