カナダでATになろう

このブログはカナダでCertified Athletic Therapist として働く者による留学情報を綴ったものです。

日本の大学行く?それとも高校卒業後すぐ留学する?③

どうも前田です。

では「日本の大学卒業後留学」のパターン行きましょう。


日本の大学で活動することで日本のAT事情がわかる。

日本で学生ATなりインターンなりする中で段々と今の日本のAT事情がわかってくると思います。また、大学のATの教授が多くの経験をもとに話してくれると思います。日本におけるATの歴史を日本人初のATC取得から始まったと考えるならば、まだ40年。日体協ATの発足からは大体20年ちょい。日体協ATは歴史が浅いですし、資格に法的権利はなく、準医療資格ではなく、スポーツ指導者資格としての扱いとなっています。ATCに関しては日本の資格ではないので、より扱いが難しいものになります。

日本においては「アスレティックトレーナー」は認知度が低く、「柔道整復師、あん摩マッサージ師、鍼灸師理学療法士(PT)+謎の資格」がスポーツ現場でメディカル担当として活動しており、競合という面ではあまりに相手が多すぎるんです。仕事内容が変わらない中でこのカオス状態は中々大変ですね。一方カナダ・アメリカでよく議論になるのは「ATとPTの違い」特にスポーツPTなんか現れた昨今その境界線が曖昧だといわれています。

要は日本のスポーツ現場での職業のバックグラウンドが北米と全然違うということですね。これを学生のうちに多くの現場に行き、肌で感じることも大事です。

また、これは言っておきたいのはこれは単なる「違い」であって100%アメリカ・カナダが「上である」ということではありません。国が違えば携わる職業も変わっていて当然です。それを一括りに「日本は〜だからダメ」と言うのはちょっと違うと個人的には思います。

日本のATの知り合いが出来る

 ATの知り合いは大事です。先にも言った通り、日本にいるのはATC&日体協ATだけではありません。日体協ATを持つ方々もバックグラウンドは様々です。なので多くの方と知り合うチャンスである大学時代は貴重です。例えば自分の場合は先輩、同期に順大を卒業後に専門学校に通い先述の医療系の資格を取る方がいます。そういう繋がりは将来日本に帰った時になにかきっかけとなるかもしれません。そういう可能性が大学にはあります。

あとは大学のATの先生方の存在は非常に大きいと思います。留学やそれ以外に関しても非常に多くのアドバイスや他大学の先生を紹介して頂いたりと、これは非常に大きな強みです。ATC+日体協ATの恩師を持つということがどれだけありがたいかというのは留学を進めるうちに気づきます。まあ自分カナダですけど。恩師とそのアメリカ・カナダの大学の教員が知り合いなんてこともあります。

留学に関しても、ディレクター側もなんの情報も無い留学生を受け入れるより、自分の知人の生徒さんの方がより入学させるにあたって安心できると思います。

加えて、留学後の本帰国後のキャリアを考える上でも日本に精通した恩師がいるというのは相談したい時に本当にありがたいです。

アメリカに行くなら留学期間をセーブできる

もしアメリカのATCを取りたいと思ったのなら、最近のマスターエントリーへの移行を踏まえると、日本の大学を経由する方が金銭的に良いかなとは思います。アメリカ留学を決めているのなら、大学院へのRequirement を満たせるように準備しつつ、またバイトでお金を貯めつつ、勉強していくことが必須だと思います。アメリカに渡っちゃうとビザによる制限でバイトでお金を稼ぐことが難しく、お金を使う一辺倒なんですよね〜。なので日本で計画的に行動してアメリカ大学院のマスターエントリーに入学できれば2年の留学期間で資格を取得できて、お金セーブ出来るんじゃないかと思います。

マイナス面では、高校から渡った方が英語はより向上しているんじゃないかなってところですかね。あとは他の人を見ていると、各大学院の入学要件を満たすために色々工夫していますね。放送大学の授業を履修したり、アメリカに渡って学部の授業を履修したりと。そういう手間もあるとは思います。それでも2年のプログラムはデカイ!

カナダなら2年のプログラムがある

カナダの場合、大卒生向けのATプログラムは2年制のカルガリーマウントロイヤル大学しかありません。もしくは自分のように4年制のプログラムに編入ですね。時間がかかる可能性があるのが困りますが。一応カナダは大卒生、高卒生それぞれに向けたプログラムが今後も維持されるのは間違いないと思います。

もしカナダを選択されるのであれば、各州の永住権プログラムのことも頭に入れて調べてください。永住権は本当に永住しなきゃいけないとかいう制限もないです。ただ、自分が満足いくまで長く現地で働くには必要ということです。

ちなみに2年制のプログラムに入学するならば、忙しくてバイトは出来ないと思います。逆に4年制ならバイトしましょう!勉強は慣れの部分もあるのでおそらくやっても両立できると思います。ウィニペグ大学なら日本語 の授業のTeaching Assisstant が出来ると思います。あとは自分で探してみれば学外でも十分働く場所はあります。現地で社会経験を積むのはカナダの就活では大事だと思います。

日本での経験が活きる

高卒編で書くのを忘れていましたが、日本の大学でATを学ぶメリットとして既にやったことのある内容が現地で多く出るというのがあると思います。これがどういうメリットなのかというと座学なら英語でメカニズムやコンセプトを理解するのが難しい内容でも、日本で一度やったことのある内容ならば理解が早いことがあるんです。ちょこっとその英単語を覚えれば理解、説明が可能になります。実習等ではテーピング等については、日本でやっといたら楽です。周りが四苦八苦してる中、実技等で余裕です。当然日本での経験の量にもよりますが、中身が実践的なものほどより助かります。このメリットは大きいです。どうしても言語の壁で色々躓いてしまうので、技術面で憂いを無くせるのは大きいと思います。そこで他の人に教えたりしてコミュニケーションが生まれたりします。

流されない覚悟と行動がいる

大卒生で留学する上で自分が一番大変かもしれないなあと思うのは、「留学するんだ」という意思を在学中に強く持ち続けてなおかつそれに向けての努力(主に英語)を継続するという点です。何故かと言うと、まずAT学生は在学中にドロップアウトする人だらけです。別に悪く言っている訳でなく、他にやりたいことが見つかる人が多いということです。それだけATは地味です。その上で、留学までしたいと思うことはなんていうかエネルギー使うんですよね。周囲の環境とのミスマッチといいますか、なんかもう「留学しなくても日本で頑張れば良いトレーナーにはなれるもんな〜」と大正論(事実ですよ)が出てきて、周りの影響を受けることも多々あるんです。妥協とは違うんですけど、、、。

英語もしなきゃいけませんし。基本AT学生は現場やらクリニックやらで忙しいことが多いので、せめてフリーの時間くらいと思いますが、そこを自制して英語の勉強をする必要があります。

要は大学生は楽しいことが多いんですが、その中で孤独にコツコツと留学への準備をしなくちゃいけないのです。また、みんなが就活を始めても自分はしないで留学準備というちょっとしたプレッシャーもあります。これで留学出来なかったらただの浮浪者みたいな。

大学2年生あたりまでは「将来留学するんだ」と公言する人はある程度どこにでもいます。なにせ行動してないから現実が見えていないんですよね。でも経験上、就活前になるとほぼいません。そんなもんです。

やはり留学は「莫大なエネルギー」が要るんです。大学の周りのみんながやらないから。高卒生は他の選択肢を知らないままアメリカに行くのである意味やりやすいのかもしれません。

でも、ここまで言っといてなんですが、自分的にはそんなに思いつめなくても良いかもと思います。やることやってれば誰か助けてくれるから頑張ろうぐらいの意識で自分はやってきました。なのでちゃんと行動してればいいんですよ〜。リラックス。留学するまでの道は長いですよ〜。そして留学してからがもっと大変。

 

結論:  アメリカとカナダで違う。アメリカは日本の大学経由する方が主流になりそう。カナダはこれまで通り「知る人ぞ知るATの資格」として大卒生がメインになりそう。だがしかし、大卒生の留学は高卒より大変かも。留学は計画的にかつ情熱的に。

ではでは。